展覧会概要
タイトル:「遠雷と庭」
作家名:原口みなみ
会場
PERIDOT ART CENTER + OSAKA SPACE
大阪府大阪市北区西天満4-9-2 西天満ビル108
会期
2026年10月17日(土)〜11月10日(火)
休廊日
日曜、月曜、木曜、祝日
開廊時間
10:00〜18:00
ステートメント
まだ形を持たない気配と、手の届く尺度に引かれた線。
—遠雷と庭—
日常的なモチーフや風景をドローイングし、それを色紙のコラージュに置き換え、最後にキャンバスに油彩で描く。同じモチーフを媒体を変えながら繰り返し描くことで、ある部分は強調され、またある部分は失われていく。この変化を、記憶や思い出が時間の経過や想起の反復によって変容していく過程と重ねながら制作してきた。何度も同じものを描き直すことは、それを保存するというより、その都度別のかたちで組み立て直すことでもある。
私たちは知らず知らずのうちに、自らの身体を基準として世界の大きさや距離を測っている。対象の大きさは、それ自体だけで決まるのではなく、周囲の空間や距離、それまでの経験、自分自身の身体との関係のなかで捉えられている。見ることは、目の前にある情報をそのまま受け取ることではなく、断片から像を組み立て、そのたびに対象との関係を測り直すことでもある。対象との距離が変化するとき、私たちは何をもってそれを同じものとして認識しているのだろうか。一度ある形を何かとして認識すると、それ以前の曖昧な像へ戻ることは難しい。
本展では、拡大された像と全体に近い像、狭い空間と広い空間、進むことと振り返ることを反復させることで、対象と身体との関係を測る基準を揺らそうとしている。像を大きくすることそのものではなく、鑑賞者自身の身体の尺度が相対化され、その都度組み直されていく状態に関心がある。何を見ているのかが確定する以前の状態と、一度それを何かとして認識した後の状態。そのあいだを行き来することはできるのだろうか。見ることと、自分の身体が世界のどこに位置しているのか測り直すこと。その繰り返しの中で、私たちは何を確かなものとして持ち続けるのだろうか。
見えているものより先に感じ取られるものと、切り分けられ、配置されたもの。そのあいだにある距離について考えている。
プロフィール
原口みなみ
日常にある些細なものを象徴化する作品制作を行う。表現方法は平面絵画からインスタレーションまで多岐に及ぶが、近年ではモチーフをデジタルドローイングし、切り紙でコラージュ、それを油絵にするという媒体を何度も移りかえていく表現技法をとる。
2016年京都市立芸術大学院修士過程修了
主な個展
2025年「二つの庭とミツバチ」GALLERY VALEUR/愛知
2024年「ひばりの卵」ABOUT/大阪
2023年「真昼のけむり」GALLERY VALEUR/愛知
2021年「シンボルとジャンク」福住画廊 / 大阪
グループ展
2023年「Diffusion of Nature 2023 土と夢」WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京)、GASBON METABOLISM(山梨)
2021年「それぞれについて、」galleryTOWED / 東京
2019年「台灣當代一年展」台北花博公園爭艷館 / 台湾